【レビュー】月刊アクアライフ1991年9月号を読んでわかった「卵生メダカの昔と今」──期待と発見と、少しの物足りなさ

アクアリウム

こんにちは、モーリーです。

卵生メダカの古い資料を探していたところ、フリマで思わぬ掘り出し物を見つけました。

それが 『月刊アクアライフ1991年9月号』。表紙を飾っているのは、なんと Nothobranchius eggersi Rufiji River。卵生メダカが表紙に登場すること自体、近年ではほとんど見かけません。しかもラテン読みがしっかり「ノトブランキウス」表記になっているあたり、当時の編集部のこだわりを感じます。

執筆は田中健次郎氏。卵生メダカの黎明期を支えた方の一人で、資料的価値としても期待が高まります。

期待していた「科学的データ」は…残念ながら見当たらず

卵生メダカが表紙を飾るのは、何年もみかけなくなりました

今回私が特に期待していたのは、

水質・pH・硬度・孵化温度・成長速度など、科学的根拠に基づいたブリーディングデータ。

しかし、特集を隅々まで読んだ結論としては、

水質についても

•          非年魚:弱酸性

•          ノトブランキウス:弱アルカリ性

•          pHの急降下に注意

•          水換えはしっかり

といった、かなり大まかな表現に留まっています。

当時のアクアライフは「大衆向け雑誌」という立ち位置が強く、卵生メダカの存在すら知らない読者に興味を持ってもらうことが目的だったのかもしれません。文章も語り口調で親しみやすく、入門者には非常に読みやすい構成です。

ただ、私のように「データを根拠にした管理方法」を求めている人にとっては、少し物足りなさを感じる内容でした。

驚いたのは“寿命”の記述──ノトブランキウスが2年?ディアプテロンが5年?

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特集の中で最も驚いたのが、寿命に関する記述です。

•          ノトブランキウス:2年ほど生きる

•          Diapteron:5年ほど生きる

……本当に?と思わず二度見しました。

私の環境では、ノトブランキウスは 1年生きれば優秀。

半年ほどで餌を吐き出すようになり、ゆっくりと弱っていく個体もいます。

この差は何なのか。

水質?餌?温度?遺伝?

あるいは当時の採集個体の生命力が強かったのか。

いずれにせよ、

私の管理スキルを最適化すれば、寿命を伸ばせる可能性がある

という示唆を与えてくれる内容でした。

色彩の違いに驚愕──1991年のエガーザイは“圧倒的に赤い”

私が知っている最古のエガーザイは1995年採集の系統。

しかし今回の雑誌は1991年。つまり4年以上前の採集個体が掲載されています。

表紙のエガーザイを見て驚きました。

エガーザイは赤白のバランスに個体差が出やすい種ですが、ここまで赤が濃い個体はなかなかお目にかかれません。

私がブリードした個体と比べると

その差は圧倒的です!

「こんな個体が出てくれたら…」と、思わずため息が出るほどの美しさでした。

古い資料を見比べることで、

系統の変遷や色彩の変化を追えるのも卵生メダカの面白さ

だと改めて感じました。

総評:ビギナー向けとしては最高。データを求める人には物足りない一冊

価格は760円。いまは1000円くらいでしょうか

まとめると、

•          内容は非常に読みやすく、卵生メダカ入門者には最適

•          ただし、科学的データや数値化された管理方法はほぼ掲載なし

•          寿命や色彩など、今では得られない“当時の生の情報”は貴重

•          資料としての価値は高い

という印象でした。

卵生メダカの世界は、今も昔も「情報の断片を自分でつなぎ合わせていく楽しさ」があります。

今回の雑誌は、まさにその“ピースのひとつ”として非常に価値のある一冊でした。

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